ウェブ開示によるみなし提供の対象拡大等を受けた「会社法施行規則及び会社計算規則の一部を改正する省令」の公布

法務省は、2021年1月29日、「会社法施行規則及び会社計算規則の一部を改正する省令(令和3年法務省令第1号)」を公布し、その一部は同日から施行されました。

 この省令により、2021年9月30日までに招集の手続が開始される定時株主総会に限り、単体の貸借対照表や損益計算書等がいわゆるウェブ開示によるみなし提供制度の対象に含められることとなります(この省令による改正後の会社法施行規則第133条の2、会社計算規則第133条の2)。みなし提供制度の対象となる書類には、会計監査人による会計監査報告も含まれます(会社計算規則第133条第1項参照)。

2020年5月15日に新型コロナウイルス感染症の拡大を受けた特例措置として時限的にウェブ開示の対象事項の範囲が、事業報告に表示すべき事項の一部並びに貸借対照表及び損益計算書に表示すべき事項に拡大されていました(2020年11月16日に失効)。今回の改正省令は、このウェブ開示の拡大措置を延長するものです。なお、このウェブ開示によるみなし提供制度の適用を受けるには、ウェブ開示をする旨の定款の定めが必要です。

なお、会計監査人の会計監査報告の内容として、「監査意見(会社計算規則第126条第1項第2号)があるときは、事業報告及びその附属明細書の内容と計算関係書類の内容又は会計監査人が監査の過程で得た知識との間の重要な相違等について、報告すべき事項の有無及び報告すべき事項があるときはその内容」を追加するものとされています(改正後の会社計算規則第126条第1項第5号)。

今回の改正省令により改正される会社法施行規則及び会社計算規則の規定(改正後の会社計算規則第126条第1項の規定を除く。)は、2021年9月30日限りでその効力を失うものとされています。ただし、同日までに招集の手続が開始された定時株主総会に係る事業報告及び計算書類の提供については、なおその効力を有するものとされています。
改正後の会社計算規則第126条第1項の規定は、2022年3月31日以後終了する事業年度に係る計算関係書類についての会計監査報告について適用されます(2021年3月31日以後終了する事業年度からの早期適用も可能)。

詳細については、以下のウェブサイトをご覧ください。
http://www.moj.go.jp/MINJI/minji07_00021.html

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