段階取得に係る損益について、教えてください

2013年11月06日 更新

■ ご質問

当社(親会社)はS社の株式を「その他有価証券」として10%(10株)保有していましたが、今回、50%(50株)を現金で追加取得し、連結子会社としました。追加取得50%分については、支配獲得日の市場価額ではなく、それよりも高い株式の現金購入価額(支配プレミアム含み価格等)で取得しています。
連結上は、先行取得の10%分については、一般的に支配獲得日の時価により評価し、差額を段階取得による損益として計上することになりますが、支配獲得日の時価が市場価額と支配プレミアム含みの現金購入額の双方がある場合は、いずれをもとに段階損益を計算することになりますか。

■ 回 答

イ.平成20年の連結会計基準の改正により、段階取得における子会社に対する投資の金額は、連結上、支配獲得日における時価で算定することとされており、支配獲得日における時価は現金支出額となることが明示されております。(資本連結実務指針第8項、設例2)
したがって、支配獲得前から親会社が当該子会社の株式(その他有価証券)を保有している場合には、支配獲得日の時価を付すこととされています。そのため支配獲得日における時価と、支配獲得直前の当該株式の適正な帳簿価額との差額が連結財務諸表上、当期の段階取得に係る損益(原則として特別損益)として計上されることになります。

ロ.しかしながら、子会社化するため、過半数を買収するため市場の株価よりも高い価格で購入する場合があり、支配獲得日の市場価額と一致しないことが考えられます。その場合、追加取得分については、現金購入価額となりますが、先行取得分については、明確な定めは見当たりません。

ハ.そもそも段階取得の会計処理として、先行取得分については、支配獲得日に一旦、売却し、再度取得することが前提になっていると考えられます。
したがって、支配獲得日の市場価額ではなく、実際に取得することとなる現金購入価額が適当と考えられますが、支配プレミアム含みの価格が乖離している場合には、支配プレミアム含みの価格を用いるものではなく、支配獲得日の市場価額で再度取得したとみなすことが適当とする考えもあります。

<事例による処理>

(前提)
① 先行取得(10%、10株) 取得時の時価  @100
② 追加取得(50%、50株) プレミアム含みの現金購入価額 @150
③ 追加取得時のS社株式の市場価額  @120

1. P社(親会社)の個別上の処理

(1) 先行取得分(10%)
(借)その他有価証券  1,000  (貸) 現 金 預 金  1,000
※ 10株 × @100 = 1000
(2) 今回の追加取得分(50%)の処理と子会社株式への振替
(借)子 会 社 株 式   7,500  (貸)現 金 預 金    7,500
(借)子 会 社 株 式   1,000  (貸)その他有価証券  1,000
※ 50株 × @150 = 7500

2. 連結上の処理

(1) A案  先行取得分を支配獲得時の市場価額@120で評価
(借)子 会 社 株 式  200   (貸)段階取得に係る差益  200
※(@120ー@100)× 10株 = 200
(2) B案  先行取得分を追加取得分と同じ現金支出額の時価@150で評価
(借)子 会 社 株 式  500   (貸)段階取得に係る差益  500
※(@150ー@100)× 10株 = 500

以  上