資産除去債務の貸方履行差額の表示について、教えてください

2013年03月05日 更新

■  ご質問

資産除去債務を計上していた設備を使用終了に伴い除去することになりましたが、除去に伴う支出が、当初の見積を下回ったため、履行差額(貸方)が発生しています。この差額は、どのような表示になるのでしょうか。

■ 回 答

イ.資産除去債務を計上していた設備の使用終了に伴い、履行差額が貸方に発生した場合の原状回復に伴う資産除去債務の会計処理は次のようになります。

減価償却累計額             ×××           有形固定資産(設備)                ×××

資産除去債務           ×××     現      金           ×××

                  履 行 差 額            ×××

ロ.資産除去債務の履行時に認識される資産除去債務残高と資産除去債務の決済のために実際に支払われた額との差額は、損益計算書上、原則として、当該資産除去債務に対応する除去費用に係る費用配分額と同じ区分に含めて計上する(資産除去債務基準第15項)ことになっています。この場合の除去費用に係る費用配分額(利息費用を含む。)は、減価償却費と同じ区分に含めて計上することになっています。

ハ.資産除去債務の履行時の差額が収益となる場合に、営業費用のマイナスとして表示するのか、営業外収益などの表示区分に記載するのかという疑問に対し、企業会計基準委員会から公表されている「公開草案に対するコメントの公表44」」では、次のような対応策が記載されております。

「履行時の差額は減価償却費と同じ区分(営業損益)で会計処理をするという定めであるため、原則として営業費用のマイナスによると考えられる。一方、58項なお書きではその差額が異常な原因により生じたものである場合には特別利益として処理をすることを求めている。58項なお書きで示す異常な原因に基づくものでない場合には、通常、営業費用のマイナスとして取り扱うことを示唆したものである。」

ニ.したがって、貸方に発生した履行差額は、通常、営業費用のマイナスとして処理され、特別利益又は営業外収益としては処理されないことになります。

これは、除去費用の総額が固定資産の利用期間にわたって配分され、将来キャッシュ・フローに重要な見積りの変更が生じた場合には、資産除去債務の計上額が見直しされるとことを前提にすれば、資産除去債務の履行時の差額についても、固定資産の取得価額に含められて減価償却を通じて費用処理された除去費用と異なる性格を有するものでないとされているからです(資産除去債務基準第57項)。

ホ.なお、当初の除却予定時期よりも著しく早期に除去することになった場合等、当該差額が異常な原因により生じたものである場合には、特別利益に計上されることになります(資産除去債務基準第58項)。記載事例をみても特別利益に、「資産除去債務履行差額」又は「資産除去債務戻入益」等の科目名が見られます。

以 上