「固定資産売却益」の四半期における比較情報の作成

2012年10月04日 更新

■ ご質問

前第2四半期連結損益計算書の特別利益に「固定資産売却益」(400 万円)を計上していましたが、当第2四半期で発生した固定資産売却益(50 万円)には重要性がないので特別利益の「その他」で表示することとした場合には、比較情報の作成はどのようになりますか。

 

■ 回 答

1.比較情報は、財務諸表の期間比較の観点から、金融商品取引法上、制度化されています。比較情報の作成は、過年度遡及会計基準に従って遡及適用された場合に該当することになります。

2.固定資産売却益に重要性がなくなったので、特別利益の「固定資産売却益」から「その他」で表示することとした場合には、一般に公正妥当と認められた表示方法から他の一般に公正妥当と認められた表示方法への変更(基準第 4 項(6))に該当しますので、表示方法の変更に該当します。 したがって、過年度遡及会計基準に該当することになりますので、比較情報の作成が必要になります。

3.四半期決算では、簡素化の観点から、平成 23 年 4 月 1 日以後開始する事業年度から、「表示方法の変更に関する注記」は要請されていませんので、前第2四半期の財務数値を組替たとしても表示方法の変更の注記は要しないことになります。

4.比較情報の作成を具体的にみると次のようになります。

(従来の表示)
従来は、前第 2 四半期連結累計期間の四半期連結財務諸表は、表示方法の変更に該当しても、前第2四半期に開示されたものをそのまま記載するというものでありました。従って、当四半期の固定資産売却益(50)が「その他」500 の中に含められても前第2四半期における表示のままになります。

(前第2四半期連結累計期間)(当第2四半期連結累計期間)
特別利益
固定資産売却益    400    -
その他    300    500
特別利益合計    700    500

 

(比較情報の作成)

固定資産売却益(前第2四半期連結累計期間)→その他(当第2四半期連結累計期間)になり、表示方法の変更に該当しますので比較情報が作成されます。

当第2四半期連結累計期間に発生した固定資産売却益50は重要性がないので「その他」に含められるとともに、前第2四半期連結累計期間に独立掲記されていた「固定資産売却益」400を当第2四半期連結累計期間と同様に「その他」300に含め、「その他」700として記載することになります。過去を修正することになります。また、表示方法に関する注記は、四半期決算では要請されていません。

(前第2四半期連結累計期間)(当第2四半期連結累計期間)
特別利益
その他    700    500
特別利益合計    700    500

 

5.なお、当第2四半期連結累計期間において発生した固定資産売却益について金額的重要性が乏しいと判断でき、営業外収益において認識することが適切と判断できる場合には、表示方法の変更に該当しないので過去の財務諸表の組替は行われないものとされています(企業会計原則注解注 12)。
また、当第2四半期連結累計期間に固定資産売却益が発生していない場合には、表示方法の変更には該当しませんので過去の財務諸表の組替えは原則として予定されないことになります。

(参考文献)
会計制度委員会研究報告「比較情報の取扱いに関する研究報告」Q8

以 上