自己株式の下落と低廉譲り受け

2017年05月16日 更新

■ ご質問

上場会社ですが、最近の業績の悪化により所有している自己株式の時価が下落しています。親会社株式と同様に評価減することになりますか。また、自己株式を時価よりも低廉で譲り受けた場合には、会計上は受増益を計上することになりますか。

■ 回 答

イ.自己株式は、資産として扱う考え方と資本の控除として扱う二つの考え方がありましたが、連結財務諸表では資本の控除とされていたこと、国際的な会計基準でも一般的に資本の控除とされているところから、平成17年の改正で資本の控除とされております。それは、自己株式の取得は株主との間の資本取引であり、会社所有者に対する会社財産の払戻しの性格を有することが主な論拠とされています(自己株式及び準備金の額の減少等に関する会計基準第30項、31項)。

ロ.したがって、自己株式は、純資産の部の株主資本から「取得原価」をもって控除されますので(自己株式及び準備金の額の減少等に関する会計基準第7項)、親会社株式やその他の関係会社株式がその他有価証券とされ、時価評価されることとはその取扱いが異なります。
よって、所有している自己株式の時価が下落していても、評価減の対象ではないと考えられます。

ハ.自己株式の取得は、会計上は取得原価主義であり、また、無償取得の場合には、株数のみの増加として処理するものとされているところから(自己株式及び準備金の額の減少等に関する会計基準の適用指針第14項)、低廉で譲り受けた場合であっても受増益の計上は行われないものと考えられます。

以   上