連結子会社とみなした場合の段階取得損益の処理

2016年11月14日 更新

■ ご質問

会社Pは、40%所有の持分法適用関連会社S社に、当期に役員を過半数派遣し、S社を実質的に支配することになった。そのため、S社を連結子会社としています。

この場合、株式の追加取得はないが、追加取得により支配を獲得した場合と同様に、従来取得していた株式を支配獲得日の時価により算定し、持分法評価額との差額を段階取得損益とすることになりますか。それとも、株式を取得して子会社化していないので、段階取得損益は発生しないことになりますか。

■ 回 答

イ.平成20年の連結会計基準の改正により、段階取得における子会社に対する投資の金額は、連結上、支配獲得日における時価で算定することが明示されています(連結財務諸表における資本連結手続に関する実務指針第8項)。

したがって、支配獲得前から親会社が当該子会社の株式を保有している場合には、支配獲得日の時価が付されることになります。この場合の支配獲得には、株式取得によらないで実質的に子会社化する場合も含まれるものと考えられます。

設問の場合、支配獲得日における適正な時価と、支配獲得直前の当該株式の適正な帳簿価額との差額が連結上、当期の段階取得による損益(原則として特別損益)として計上されると考えられます。

ロ.これは、会社Pが役員を過半数派遣してS社の支配を獲得したことにより、過去に所有していた投資の実態又は本質が変わったものとみなし、その時点でいったん投資が清算され、改めて投資を行ったと考えられるためとされています(企業結合に関する会計基準第89項)。

ハ.(会計処理)

・P社の投資(S社株式)を支配獲得日の時価で評価

P社は当期に役員を過半数派遣してS社を実質子会社としているので、従来取得していた40%の持分法による評価額400(40%の株式の適正な簿価)をその時の時価600(支配獲得時の時価)で評価し、持分法による評価額との差額200(=600-400)を「段階取得に係る差益」として処理をする。

S社株式  200   段階取得に係る差益  200

以   上