吸収合併がある場合の繰延税金資産の回収可能性について教えてください

2016年02月05日 更新

■ ご質問

親会社を存続会社、子会社を消滅会社とした共通支配下の吸収合併が翌期首に行なわれる予定です。この場合、当期末の親会社及び子会社における個別財務諸表上の繰延税金資産の回収可能性は、どのように取り扱うことになりますか。合併による影響を考慮することになりますか。

 

■ 回 答

イ.共通支配下の取引について、企業結合会計基準においては、親会社が子会社から引き継ぐ資産及び負債については、合併期日に付された適正な簿価とされています。繰延税金資産についての具体的な説明はありませんが、取得の場合については説明が行われております。すなわち、取得企業である親会社の繰延税金資産の回収可能性の考え方については、「繰延税金資産の回収可能性は、取得企業の収益力に基づく課税所得の十分性等により判断し、企業結合による影響は、企業結合年度から反映させる。」(企業結合適用指針第75項)とされております。

ロ.また、吸収合併消滅会社である子会社の最終年度の会計処理は、「吸収合併が取得とされた場合の吸収合併消滅会社の最終事業年度の財務諸表は、吸収合併消滅会社が継続すると仮定した場合の適正な帳簿価額による。」(企業結合適用指針第83項)とされております。

ハ.したがって、上記の取得の場合の規定を参考にすれば、親会社と子会社の合併が行われる場合の合併直前の親会社及び子会社におけるそれぞれの個別財務諸表の繰延税金資産の回収可能性については、合併がないことを前提に検討し、合併による影響は考慮しないことになるものと考えられます。

よって、合併の効果を考慮しないで消滅子会社が計上した繰延税金資産について、存続会社である親会社は、親会社における回収可能性の有無にかかわらず合併期日の前日に付された適正な帳簿価額をそのまま引き継ぐことになると考えられます(企業結合適用指針の設例35:共通支配下の取引における繰延税金資産の回収可能性の設例)。

以 上