執行役員に対する退職慰労引当金について教えてください

2015年02月07日 更新

 

■ ご質問

 

当社は、業務執行の役割と責任を明確化し、意思決定の迅速化、業務執行の効率化を図るため、執行役員制度を導入しております。

この場合、執行役員に対する退職慰労引当金の計上方法は、具体的にどのような記載になるのでしょうか。

 

■ 回 答

 

イ.執行役員とは、会社の業務執行に対する責任と権限を持つ役員ですが、役員といっても代表取締役の指揮命令下にある会社の使用人に該当します。

そのため、取締役・監査役と異なって会社の機関にあたらないため、役員退職慰労金を支給する場合には、通常の従業員と同様であり、株主総会の承認決議をとる必要はありません。

 

(注)執行役員制度

1990年代後半より、経営と事業執行の分離というコーポレートガバナンスの観点から「経営に専念する人(取締役)」と「業務の執行に専念する人(執行役員)」を分離してそれぞれの役割分担を明確にするため執行役員制度が導入されています。

 

ロ.執行役員に対する役員退職慰労金制度には、執行役員は役員ではなく従業員に該当するために、

① 通常の従業員の退職給付金制度に含めて取扱う方法

② 従業員に対するものとは別の内規を定める方法

が考えられます。

これらの方法によった場合の処理には、次のような方法が考えられます。

 

 

 

(1)従業員の退職給付金制度(退職給付引当金)に含めて取扱う方法の場合

<記載例① 退職給付引当金に計上する場合>

(4)退職給付引当金

従業員の退職給付に備えるため、当事業年度末における退職給付債務及び年金資産の見込額に基づき計上しております。

①退職給付見込額の期間帰属方法

・・・・・・・・

②数理計算上の差異及び過去勤務費用の費用処理方法

・・・・・・・・・

また、執行役員(取締役である執行役員を除く)については内規に基づく当事業年度末要支給額を退職給付引当金に含めて計上しております。

 

(簡便法の場合)

なお、執行役員に対する退職給付債務を簡便法により計上している場合には、次のような記載が考えられます。

簡便法の採用

執行役員(取締役である執行役員を除く)の退職慰労金制度は、退職給付債務及び退職給付費用の計算に、退職給付に係る期末自己都合要支給額を退職給付債務とする方法を用いた簡便法を適用しております。

 

(2)従業員に対するものとは別の内規を定める方法の場合

役員退職慰労引当金に含めて計上する方法、又は執行役員退職慰労引当金として区分して計上する方法が考えられます。

 

<記載例② 役員退職慰労引当金に計上する場合>

(3)役員退職慰労引当金

当社は、役員及び執行役員の退職により支給する退職慰労引当金に充当するため、内規に基づく期末要支給額を計上しております。

 

<記載例③ 執行役員退職慰労引当金に計上する場合>

(3)執行役員退職慰労引当金

執行役員(取締役を兼務している執行役員を除く)に対する退職慰労金の支給に備えるため、執行役員退職慰労金規程に基づき期末要支給額の100%を計上しております。

 

 

 

ハ. なお、執行役員に対する賞与支給額を賞与引当金等として計上する場合も同様と考えられます。

 

<記載例④ 賞与引当金に計上する場合>

(3) 賞与引当金

従業員及び執行役員(取締役である執行役員を除く)に支給する賞与手当に充てるため、支給見込額を計上しております。

 

<記載例⑤ 役員賞与引当金に計上する場合>

(2) 役員賞与引当金

役員賞与引当金は、役員(執行役員を含む)に対する賞与の支払いに備えるため、役員に対する賞与の支給見込額のうち、当事業年度に帰属する額を計上しております。

 

以  上