単体開示の簡素化と損益計算書における注記ついて教えてください

2014年11月10日 更新

■ ご質問

 

単体開示の簡素化に関して、特例財務諸表提出会社が作成することとなる損益計算書は、会社法の計算書類と金商法の財務諸表とでは開示水準が大きく異ならないために大多数の企業によりが使用されている経団連モデル(財規様式第6号の2)によることとされています。

 

そうすると次のような疑問点がありますが、いかがでしょうか。

 

① 損益計算書における販売費及び一般管理費は、経団連モデル(様式第6号の2)に従って、「販売費及び一般管理費」として一括掲記されることになりますが、販売費及び一般管理費の主要な費目及びその金額に関する注記の規定はありませんので記載しなくてもいいのでしょうか。

 

② 特別利益として、例えば、固定資産売却益を区分掲記した場合、その内訳の記載に関する会社法の規定はありませんが注記しなくてもいいのでしょうか。

 

 

■ 回 答

 

イ.財務諸表等規則第85条では、販売費及び一般管理費は適当と認められる費目に分類し、当該費用を示す名称を付した科目をもって掲記しなければならないが、販売費の科目若しくは一般管理費の科目又は販売費及び一般管理費の科目に一括して掲記し、主要な費目及びその金額を注記することを妨げられないとなっています。一方、会社計算規則においては、主要な費目及びその金額に関する注記の規定はありません。

 

(注) 主要な費目とは、財規第85条第2項により、減価償却費、引当金繰入額並びにこれら以外の費目でその金額が販売費及び一般管理費の合計額の100分の10を超える費目をさすものとされています。

 

ロ.単体開示の簡素化を選択した会社は、会社法に基づいて作成される計算書類を基に、金商法上の個別財務諸表を作成することが認められたことを考慮すれば、会社法にその根拠規定がない以上、主要な費目及びその金額に関する注記の記載は要求されていなものと考えられますが、従来と同様に重要な単体情報に該当するものと考えられます。

次のような解説もあります。また、実務の記載事例を見ても大部分が記載されております。

「なお、新様式の損益計算書については、販売費及び一般管理費を一括掲記しているが、一括掲記した場合には、主要な費目及びその金額の注記を従来と同様に記載する必要があると考えられる。」(有価証券報告書作成上の留意点 平成26年3月期提出用)(公益財団法人財務会計基準機構)

 

<記載事例>

※1 販売費に属する費用のおおよその割合は前事業年度58%、当事業年度60%、一般管理費に属する費用のおおよその割合は前事業年度42%、当事業年度40%であります。

販売費及び一般管理費のうち主要な費目及び金額は次のとおりであります。

前事業年度

(自 平成24年4月1日

至 平成25年3月31日)

当事業年度

(自 平成25年4月1日

至 平成26年3月31日)

 

従業員給料及び手当 2,783百万円 2,711百万円
減価償却費 321 256
賞与引当金繰入額 213 208
役員賞与引当金繰入額 25 40
貸倒引当金繰入額 1 0
その他 5,560 5,158
8,906 8,375

 

ハ.特別損益に関する内訳の注記に関しても、会社法の規定には記載すべき根拠が見当たりませんので、特別損益の内訳の注記は不要とも考えられますが、特別損益項目に重要性がある等の場合には追加情報として記載することになると考えられます。

追加情報の注記は投資者保護の観点から極めて重要な単体情報であり、連結財務諸表による開示と同一の内容になる場合があるといって、開示を免除することは適当でないと考えられますとなっています(金融庁の考え方)。

 

<記載事例>

※2 固定資産売却益の内訳は次のとおりであります。

前事業年度

(自  平成24年4月1日

至  平成25年3月31日)

当事業年度

(自  平成25年4月1日

至  平成26年3月31日)

土地 4,844千円

 

以 上