連結子会社の未認識項目の処理について教えてください

2014年09月15日 更新

■ ご質問

退職給付会計基準が改正され、未認識項目(数理計算上の差異及び過去勤務費用のうち、費用処理されていないもの)はその他の包括利益を通して、連結貸借対照表に「退職給付に係る調整額」として即時認識されることになりましたが、連結子会社の未認識項目は、連結上、どのような処理になるのですか。 
翌期以降においては、連結上、その他包括利益累計額に計上されていた未認識項目が費用処理(組替調整)されますが、その場合は連結子会社の処理はどのようになりますか。

■ 回 答

イ.連結子会社に少数株主持分(非支配株主持分)が存在する場合には、連結子会社の利益剰余金及び評価・換算差額等の非支配株主に帰属する部分は、少数株主持分(非支配株主持分)として処理することになります(連結会計基準第26項)ので、未認識項目に係る退職給付に係る調整額(税効果会計調整後)のうち少数株主持分割合に対応する額は少数株主持分(非支配株主持分)に振り替える必要があります。

ロ.具体的な仕訳でみれば次のようになります。
 (前提) 連結子会社(80%の持分割合)
連結子会社の未認識項目の発生  △ 100
繰延税金資産の回収可能性 あり(税率40%)

 ・連結会計年度末の処理
  未認識項目の即時認識と少数株主持分の計上
  (連結修正仕訳)
退職給付に係る調整額 100 / 退職給付に係る負債   100
繰延税金資産   40  / 退職給付に係る調整額   40
少数株主持分(非支配株主持分)12 / 退職給付に係る調整額 12

 少数株主持分に計上されるのは、税効果会計調整後の「退職給付に係る調整額」60(100-40)に少数株主持分割合20%を乗じた12になります。
 なお、期末の未認識項目(税効果調整後)のうち、親会社持分相当額((100-40)×80%=48)は退職給付に係る調整額に計上されます。

・翌期の会計処理
  個別財務諸表上は、未認識項目の費用処理については、従来通り、遅延認識となりますが、連結上は、その他の包括利益累計額に計上されていた未認識項目を費用処理した場合には、その他の包括利益の調整(組替調整)が生じることになります。

(個別財務諸表の会計処理)
未認識項目の償却に係る費用処理
退職給付費用  10  /  退職給付引当金   10

(連結財務諸表の会計処理)
個別財務諸表上の処理の振戻し
連結においては、未認識項目を即時認識した段階で負債に計上されているため費用処理段階で負債計上することはできないことになります。
そのため、連結上、退職給付に係る負債を振戻す必要があります。
退職給付に係る負債  10  /  退職給付費用  10                        

そのうえで連結上、未認識項目の費用認識(組替調整)を行い、少数株主持分(非支配株主持分)に振替えることになります。
退職給付費用  10   /   退職給付に係る調整額  10
                 (その他の包括利益)

退職給付に係る調整額  4 /  法人税等調整額  4
(その他の包括利益)

少数株主持分(非支配株主持分)1.2  / 退職給付に係る調整額   1.2
                    (その他の包括利益)
*(10-4)×20%=1.2 

以  上