即時認識された未認識項目の四半期における処理について教えてください

2014年08月07日 更新

■ ご質問

 

退職給付会計基準が改正され、平成26年3月期の連結財務諸表から、未認識項目(数理計算上の差異及び過去勤務費用のうち、費用処理されていないもの)は、連結貸借対照表に「退職給付に係る調整累計額」として即時認識されましたが、翌連結会計年度の第1四半期における未認識項目の会計処理はどのようになるのでしょうか。

 

 

■ 回 答

 

1.四半期累計期間に負担すべき退職給付費用は、期首において算定した退職給付債務に基づく当年度の勤務費用、利息費用、期首の未認識数理計算上の差異、未認識過去勤務費用及び会計基準変更時差異等により算定される年間の退職給付費用を期間按分して計算したものとなります(退職給付会計適用指針第74項)。そのため、四半期末時点において退職給付債務の数理計算を行い、これらの費用金額を改めて算定する必要はないことになっています。この点は、従来と同様になります。

 

2.ただ、四半期連結累計期間において、その他の包括利益累計額に計上されていた未認識数理計算上の差異、未認識過去勤務費用及び会計基準変更時差異等の未処理額を費用処理した場合には、その他の包括利益の調整(組替調整)が生じることになります(当該費用に掛かる法人税等調整額についても、同様に組替調整が生じます。)ので留意が必要になります。

* 組替調整

その他の包括利益から当期純利益に振り替える処理のことをいいます。

 

3.事例を基に説明すると次のようになります。

(前提)

(1)平成26年3月期末の連結修正仕訳(未認識項目△100)

退職給付に係る調整累計額  100  /   退職給付に係る負債  100

(2)第1四半期累計期間に負担すべき未認識数理計算上の差異の費用処理5(期首において算定した未認識数理計算上の差異の当期償却額20、第1四半期は期間按分して5)

(3)繰延税金資産の回収可能性はあるものとします(税率40%)。

 

(第1四半期累計期間における会計処理)

・未認識数理計算上の差異の費用処理

退職給付費用   5  /   退職給付引当金  5

(第1四半期連結累計期間における会計処理)

未認識数理計算上の差異の費用処理(組替調整)

・四半期財務諸表上の処理の振戻し(注1)

退職給付に係る負債 5  /   退職給付費用  5

・組替調整の処理(注2)

退職給付費用     5  /   退職給付に係る調整額*  5

*(その他の包括利益)

退職給付に係る調整額*  2  /   法人税等調整額    2

*(その他の包括利益)

 

(注1)連結財務諸表上は、未認識数理計算上の差異を即時認識した時点で負債にすべて反映されておりますので、償却に伴う損益と同時に負債を計上するわけにはいかないことになります。そのため、振戻し処理を行います。

(注2)注2の仕訳は、次のように分解されます。

・その他の包括利益計上分の取消

退職給付に係る負債  5  /   退職給付に係る調整累計額  5

・償却に伴う損益計上

退職給付費用  5  /   退職給付に係る負債  5

これらをネットすると次のような仕訳になります。

退職給付費用  5  /   退職給付に係る調整額*  5

*(その他の包括利益)

税効果会計分

・その他の包括利益計上分の取消

退職給付に係る調整額*  2  /   繰延税金資産  2

*(その他の包括利益)

・償却に伴う損益計上

繰延税金資産     2  /   法人税等調整額   2

これらをネットすると次のような仕訳になります。

退職給付に係る調整額*  2  /   法人税等調整額    2

*(その他の包括利益)

以  上