取得関連費用の会計処理について

2013年12月09日 更新

1.会計基準の改正

平成25年9月に企業結合に関する会計基準が改正され、取得関連費用(外部のアドバイザー等に支払った特定の報酬・手数料等)は、発生した事業年度の費用として処理することとなりました。

2.改正の経緯

改正前の会計基準では、取得とされた企業結合に直接要した支出額のうち、取得の対価性が認められる外部のアドバイザー等に支払った特定の報酬・手数料等は取得原価に含めることとしていましたが、国際的な会計基準に基づく財務諸表との比較可能性を改善する観点や取得関連費用のどこまでを取得原価の範囲とするかという実務上の問題点を解消する観点から、発生した事業年度の費用として処理することとなりました。

3.関連する会計処理について

連結上は発生した事業年度の費用として処理しますが、個別財務諸表における子会社株式の取得原価は、従来と同様に、金融商品会計基準及び日本公認会計士協会会計制度委員会報告第14号「金融商品会計に関する実務指針」に従って算定します。

個別財務諸表においては、付随費用は取得価額に含めることとされているため、子会社株式の売却時において付随費用は個別財務諸表上の売却簿価に含まれますが、連結財務諸表上の売却持分には含まれないこととなり、差額が発生することとなります。

当該差額については、連結財務諸表上、個別財務諸表に計上した子会社株式売却損益の修正として取り扱うことが考えられますが、連結財務諸表上、取得関連費用は発生時に費用処理されていることから、子会社株式売却損益の修正は行わず、子会社が連結子会社及び関連会社のいずれにも該当せず連結範囲から除外される際に、連結株主資本等変動計算書上の利益剰余金の区分に連結除外に伴う利益剰余金減少高(又は増加高)等その内容を示す適当な名称をもって計上することとなります。

なお、子会社株式に含まれる付随費用について、連結手続上、発生した連結会計年度の費用として処理した結果、子会社への投資の個別貸借対照表上の価額と連結貸借対照表上の価額が一致しないことにより差額が生じる場合、当該差額は、連結財務諸表固有の一時差異に該当します。

4.適用時期

これらの会計処理(本稿執筆時点では公開草案のものもあります)は、平成27年4月1日以後開始する事業年度の期首から適用しますが、早期適用も認められます。

適用にあたっては、取得関連費用について遡及適用した場合の累積的影響額を、適用初年度の期首の資本剰余金及び利益剰余金に加減し、当該期首残高から新たな会計方針を適用しますが、適用初年度の期首から将来にわたって適用することができます。

なお、適用初年度においては、会計基準等の改正に伴う会計方針の変更として取り扱います。

以 上

(公認会計士 槇田憲一郎)