2013年01月06日 更新
世の中には知らないと損するということが往々にして存在する。
私事だが、先日、家電製品を購入した帰り際にもらった折り込み広告で、今しがた購入した製品がその週末から大特価になることを知ったときは悔しい思いをした。
損するといっても、個人レベルでは高が知れているが、会社になると話は重大だ。
例えば助成金。様々な助成金制度が存在するが、それらを網羅的に検討することは簡単ではなく、実はもらえたはずの助成金を知らずに見過している可能性はあるかもしれない。中でも「雇用調整助成金」は、比較的要件が緩く、適用可能な法人も多い助成金だ。詳細は専門書に譲るとして、簡単に言えば、直近3カ月間もしくは前年同期の3カ月間で売上や生産量が減少傾向であれば適用の可能性があり、従業員を休業させたり、教育訓練を受けさせたり、出向させた場合の賃金相当額の一部を助成してくれるという有りがたい制度だ。例えば、仕事が減って暇にしている従業員にITスキル向上のための教育訓練を受けさせて、自社でHPやECサイトの管理を行えるようにしたり、といった賢い利用をしている会社もあるようだ。教育訓練の場合は賃金相当額の助成以外に訓練費用も一部助成してくれるという太っ腹な制度になっており、従業員の多い会社だと助成金額も数百万円~数千万円になるケースもあるというから驚きだ。
長くデフレ経済が続く環境下で、利益を確保できている会社でさえも売上や生産量は減少しているという会社は多く、また、東日本大震災後は更に要件が緩和されたことから、適用可能な法人は増えているようだ。
近年、IT技術の進歩により情報の入手は容易になったが、しっかりアンテナをはっていないと有用な情報は得られないというのは今も昔も変わらないように思う。むしろ、情報収集の巧拙が大きな格差を生む時代になったのかもしれない。私もアンテナの感度をあげるべく、先ずは折り込み広告のチェックから始めたい。
(公認会計士 川崎大介)