IFRS(国際財務報告基準)を巡る動向について

2012年02月06日 更新

公認会計士 尾関 高徳

 

世界的にIFRS適用へ向かっている中で2011年6月21日に自見金融担当大臣が閣議後の記者会見で下記のような発言を行いました。

① 少なくとも2015年3月期についての強制適用は考えていない。

② 仮に強制適用をする場合であっても、その決定から5年ないし7年程度の十分な準備期間の設定を行う。

③ 2016年3月期で使用終了される予定の米国基準での開示は、使用期限を撤廃し、引き続き使用可能とする。

この発言を受け、各社はIFRS導入について再検討を行い、一部会社については、導入予定年度を延期し計画を見直したり、あるいは、進行中の導入スケジュール自体を延期にしたりしています。

その後のIFRSを巡る国内の動向については、上記自見金融担当大臣の発言を受け、金融庁は2011年8月31日に「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則等の一部を改正する内閣府令」を公布・施行し、米国基準の使用期限を撤廃しました。

また、企業会計審議会で11項目の検討テーマを設け、議論がなされています。この他、産業界、連合、会計士、学識者等から肯定的な意見、否定的な意見それぞれ両方でており、2012年に強制適用に関する判断がなされるかどうかは、米国の動向もあり、不透明であります。

 

海外に目を向けると、韓国では2011年1月から、上場企業にIFRSを適用しました。また、カナダにおいても2011年1月より、上場企業の連結にはIFRSを適用しています。逆にインドでは、2011年4月以降上場会社にIFRSにコンバージョンしたインド会計基準を段階的に適用する予定でしたが、諸事情等があり延期になっています。

 

次に米国の動向でありますが、米国企業へのIFRS適用を認めるか否かについては2011年12月末時点で未公表であります。

ただ、2011年11月にSECが「米国基準とIFRS基準の比較」と「IFRS適用状況の分析」の2つのスタッフペーパーを公表しており、このスタッフペーパーをベースにSECの見解がでてくると思われます。

また、SECクローカー主任会計士は、2011年12月の講演時に、「米国におけるIFRS適用に関するスタッフの最終報告書はさらに2~3か月かかる見通し」と発言しており、この数カ月の間にIFRS適用を求めるか否かについて公表されると考えられます。

このような世界的流れを受け、日本はIFRS導入時期等を発表することになるでしょう。しかし、IFRS自体の適用は変わることはないと考えられますので、順次その導入に向けた対応が望まれます。