昨今の会計士受験事情

2020年12月18日 更新

山本 幹夫

監査法人業界ではこのところ慢性的な人手不足の状況が続いていますが、当監査法人も例外ではなく、どうすれば優秀な方に来てもらえるか常に頭を悩ませている状況です。その一環として新人、すなわち会計士試験に合格したばかりの若い人にもぜひ当法人規模の監査法人にも興味を持ってもらおうといろいろ模索しているところです。
我が国の公認会計士試験が現行の試験制度に変わった2006年以降、J-SOX特需を見誤った大量合格とその結果の就職難、AI(人工知能)などのテクノロジーによって、会計士、税理士、弁護士などの士業は代替されてくるとのメディアの報道、といった逆風にさらされて会計士受験者は一時は大きく減ったものの、直近5年ほどは受験者数(願書提出者数)、合格者数共に微増を続けており、合格率も10%~11%程度で安定的に推移している状況です。結果的に質量ともに一定の水準を満たした新たな人材がこの業界に供給されている状況だと考えられ、出願者数の減少に歯止めがかからない税理士試験や司法試験に比べてよく健闘している状況ではないでしょうか。理由はよくわかりませんが、昨今の安定的な合格者推移や合格者の就職状況(ここ数年合格者は概ね監査法人に就職できている様子です)から士業を選択する受験勉強好き学生の選択肢の中で会計士試験の優位性が高まったこと、あるいは、日本公認会計士協会は協会ホームページや各種イベント等を通じて公認会計士を志そうとする若い人たちの裾野を広げることにとても熱心ですが、その地道な協会の努力が実を結んだ、といったことが理由なのかも知れません。
今年(令和2年度)の会計士試験は当初の予定では8月に論文式試験、11月13日に最終合格発表という予定だったのが、新型コロナウィルスの影響で、論文式試験が11月、最終合格発表は来年の2月16日予定とのこと。もし当法人に縁のある新人がいれば来年の本決算監査でお邪魔することがあるかも知れません。監査では常に「新たな視点」が求められます。中長期的にこの「新たな視点」を維持し、組織の新陳代謝を促すためにも新人確保とその教育に対してはこれから一層力をいれる必要がありそうです。

以 上