リモート監査雑感

2020年10月13日 更新

川崎 大介

コロナ禍の対応として、大半の監査法人において、「リモート監査」が実施されたようです。監査法人では、従来から、クライアント先に出向いて業務を行うことが多く、職員にはノートブックPCや通信端末等が支給されており、セキュリテイの担保されたクラウド環境が準備されているなど、比較的インフラが整っていたため、スムーズにリモートワークへの切り替えができたようです。清陽監査法人においても、一時期は原則全ての業務がリモート監査で行われ、現在も一部の業務において継続中です。
なかなか無い機会なので、リモート監査を実施して、個人的に感じたこと、考えたことを記載してみました。

リモート監査のメリット
1. 感染症への感染リスクの低減・・・これは言うまでもないですが一応。新型コロナだけでなく、インフルエンザやただの風邪にもかかりにくくなったのではないでしょうか。
2. 移動時間・コストの削減・・・リモート監査を実施して、改めて、いかに移動が多い仕事であったか、痛感しました。体力的には非常に楽になりました。

リモート監査のデメリット
1. 監査の効率性の低下・・・これは、定量的に説明可能なデータは持っていませんが、従来の監査と比べ明らかに非効率が発生していると思われます。例えば、クライアントの方に資料を依頼する際、リストに記載して依頼することになりますが、名称がはっきりしない資料などは記載の仕方を考える必要が生じますし、一度でうまく伝わらないこともあります。また、開示資料の修正等もメール等で伝えようとすると容易ではない場合もあります。公認会計士協会の会長からも「感覚として監査業務の効率が2割程度落ちている」との発言があったようです。また、クライアントのご担当者の方にとっても、いつも以上に多くの資料をデータ化したり、コピーをとったり、非効率な作業が発生していたと思われます。
2. 監査の有効性の低下・・・これは、本来あってはならないことですが、入手される情報が限定的になったり、監査手続が限定的になったり、あるいは、対クライアントのコミュニケーション、監査チーム内のコミュニケーションが不足することで、監査の有効性が害されている可能性はあるように思います。クライアントの方との雑談や、監査チーム内での独り言に近いつぶやきも、必要なコミュニケーションであるように感じました。
3. 運動不足・・・個人的に最大のデメリットはこれでした。移動が減ったことに加え、密を避けるためジムもお休みしていたため、著しい運動不足に陥ってしまいました。運動不足により免疫力が低下したような気がしますし、いわゆるコロナ太りは確実に進行しました。

リモート監査は定着するのか?
メリットもデメリットもあるリモート監査ですが、はたして今後も定着してくのでしょうか?おそらく、これを機に積極的にリモート監査を推し進めようとする動きと、従来のやり方に戻そうとする動きと、両方の動きがあるのでしょう。個人的にはリモート監査の定着は望んでいませんが、リモート監査が定着してしまった場合に備えて、先ずはコロナ太り解消という重い課題に取り組む必要がありそうです。

以 上