内部通報制度について

2017年09月08日 更新

                                                         森 亮太
 
先日、食品偽装をテーマにしたドラマを見たところ、偽装行為が内部通報でリークされていました。近年の適時開示を見ても内部通報により不正が明らかになっている事例があります。そこで内部通報としてどのような制度があるか調べてみました。

●公益通報者保護法
企業の違法行為などを、労働者が企業内の通報窓口や外部機関に通報することを「公益通報」といいます。公益通報により消費者や社会に利益をもたらすことになりますが、通報者は企業から解雇や降格などの不利益な取扱いを受けるおそれがあります。そこで公益通報を行った労働者を保護するために「公益通報者保護法」が設けられました。
公益通報者保護法は、以下の一定の要件を満たした場合に、解雇無効や不利益な取り扱い(降格、退職の強要等)の禁止という保護を定めています。
・労働者が通報
・通報対象事実が特定の法律に違反すること
・通報先ごと(企業内部、行政機関、マスコミ等その他の3つ)の保護要件を満たして通報

●「公益通報者保護法を踏まえた内部通報制度の整備・運用に関する民間事業者向けガイドライン」
これまでも消費者庁は「民間事業者向けガイドライン」により、企業が内部通報に適切に対応するための指針を定めていましたが、具体的な取り組みは企業任せといえるものでした。そこで平成28年12月に本ガイドラインを改正し、企業が自主的に取り組むことが推奨される事項を4つの視点で具体化・明確化しました。
①通報者の視点
・通報者の匿名性の確保や外部窓口の設置
・解雇その他不利益な取扱いの禁止
・自主的に通報を行った者に対する処分等の減免
②経営者の視点
・経営幹部が果たすべき役割の明確化
・経営幹部から独立性を有する通報ルートの整備
・内部通報制度の継続的な評価・改善
③中小事業者の視点
・各事業者の規模や業種等の実情に応じた適切な取組の促進
④国民・消費者の視点
・法令違反等に対する社内調査・是正措置の実効性の向上

この他、上場企業はコーポレートガバナンス・コードの策定において、内部通報制度に関する要求事項を遵守するか否か対応を求められています。リスクを早期に発見し、早期に対応できるように適切な内部通報制度の整備・運用が望まれます。

以 上