国税のクレジットカード納付制度の創設

2016年11月14日 更新

菊池 努

1.制度概要

平成28年度の税制改正により、国税のクレジットカード納付の制度が創設されました。

国税は申告した税額に基づき納税者が納期限までに納付する必要があります。納付の方法には従来から

(1)税務署又は金融機関の窓口で現金に納付書を添えて納付する方法

(2)指定した金融機関の預貯金口座から振替納税する方法

(3)ダイレクト納付又はインターネットバンキング等を利用して電子納税する方法

(4)延納・物納(相続税、贈与税)による方法

の4つがあります。

この納付方法に加えて、平成28年度税制改正において、国税の納付手段の多様化を図る観点から、納税者がインターネットを利用したクレジットカード決済による納付が可能となりました。

 

2.クレジットカード納付の内容

納付書で納付できる国税を対象としており、税目については制限はありませんが、金額は1,000万円を上限としています。

またクレジットカードの利用手数料は納税者が負担します。(利用手数料については後述)

クレジットカード会社が国税の納付について納税者の委託を受けたときは、カードによる決済(与信審査終了)が完了した時点で国税の納付があったものとみなして、延滞税、利子税等に関する規定を適用します。

 

3.クレジットカード納付の際の手数料

クレジットカードによる納付の際の利用手数料は納税者が負担することになりますが、現在まだ利用手数料がいくらになるかは決まっていません。

現在クレジットカードで納付できる東京都の地方税については以下のような手数料となっています。

税  額 決済手数料
1円~10,000円 73円(消費税込78円)
10,001円~20,000円 146円(消費税込157円)
20,001円~30,000円 219円(消費税込236円)
30,001円~40,000円 292円(消費税込315円)
40,001円~50,000円 365円(消費税込394円)
※以降、税額が10,000円増えるごとに決済手数料73円(消費税別)が加算されます。

 

国税の利用手数料についても、同じような水準の利用手数料になることが予想されます。

同様の水準で利用手数料が設定された場合には、クレジットカードの還元率が0.78%より高ければクレジットカードを利用する方が有利となります。

 

4.実務への影響

納付手段の選択肢が広がるほか、金融機関等へ出向く手間を軽減することができ、利便性が向上されることが期待されます。

一方、納税証明書の発行は、クレジットカード発行会社による日本銀行(歳入代理店)への納付が完了後にならないと発行できないと想定されることから、納税証明書の発行が遅延することが予想されます。

 

5.適用時期

平成29年1月4日以後に国税の納付を委託する場合から適用されます。

以上