我が国のテレワークの状況

2016年09月13日 更新

田中 仁

7月総務省より、「平成28年版 情報通信白書」が公表されました。その中で、特に筆者が興味深く感じた“テレワーク”につき解説させていただきます。

1.テレワークとは

テレワークとは、時間と場所を有効に活用することを目的とした柔軟な働き方のことで、ICT(Information and Communication Technology)の進化と密接な関係があります。具体的には、終日の在宅勤務やクライアントと自宅の直行直帰が可能な勤務形態です。

テレワークは、以下の様なメリットがあると言われています。

(1)従業員にとっては、

① ワーク・ライフ・バランスの向上

② 通勤による疲労の軽減

③ 地方における就業機会増加

(2)企業にとっては、

① 労働生産性の向上

② 災害時等の事業継続性の確保

③ 人材流出の防止

(3)社会にとっても、

① 子育てや介護を理由とした離職の抑制

② 高齢者や障害者の就業機会の拡大

 

2.我が国の動向

(1)テレワークの導入状況は、次のグラフの通りです。

 

(総務省HP資料を筆者加工)

[導入している16.2%]と[導入予定がある3.4%]とを合計しても19.6%にすぎません。

 

 

 

(2)就労者の認知度の日米比較は、次の表の通りです。

実際に経験しており、良く知っている 具体的な内容まで良く知っている 概要ぐらいまでなら知っている 聞いたことがある程度 ほとんど聞いたことがない
日本 2.3% 4.2% 15.3% 23.5% 54.3%
米国 12.8% 14.3% 31.3% 16.5% 25.5%

(総務省HP資料を筆者加工)

我が国の認知度はまだまだ低く半数以上の国民が言葉も聞いたことがないという状況です。

しかし、国土交通省の「平成27年度テレワーク人口実態調査」によれば、終日在宅勤務を実施している企業就労者の終日在宅勤務にかかる増減意向をみると、「増やしたい」と回答した人が、41.9%に達しました。

増やしたい 今のままで良い 減らしたい
在宅勤務制度あり 41.9% 44.6% 13.5%
在宅勤務制度なし 34.8% 45.7% 19.6%

(国土交通省HP資料を筆者加工)

3.今後の課題と対策

上記の状況や高齢化対策としての労働力人口の確保の必要から国の後押しも予想されます。その結果、認知度が上がるに従いテレワークの実施企業が加速度的に増加していくと考えます。内部統制に影響が出てくる可能性や次表のような不安要因もありますが、ICT技術の活用等により対策を講じ前向きに導入していけると良いと思います。

不安要因 対 策
セキュリティー 在宅勤務では、勤務先サーバーへのリモートアクセスや、貸与PCの複数のパスワード化や暗号化等で対応。
勤怠管理 在宅勤務開始・終了時の上司への連絡や、PC上での作業状況チェックで対応。
人事評価 在宅勤務時の作業内容やアウトプットを事前に評価者と被評価者間で共有し評価する。
コミュニケーション テレビ会議、WEB会議、スマホ等を利用して、必要時や常時に声かけや打合せを実施。

(国土交通省HP資料を筆者加工)

 

以 上