2014年10月08日 更新
公認会計士 土橋宏章
企業会計基準委員会より平成26年6月30日に実務対応報告第31号「リース手法を活用した先端設備等投資支援スキームにおける借手の会計処理等に関する実務上の取扱い」が公表されました。
日本再興戦略(平成25年6月14日閣議決定)に基づき実施する施策として、経済産業省が承認した「リース手法を活用した先端設備等導入促進補償制度推進事業事務取扱要領」(平成26年3月3日制定)第3条第7号におけるリース契約に基づくリース取引であり、「リース手法を活用した先端設備等導入促進補償制度推進事業実施要領」(平成 26年 3月 3日制定)第4の4に基づき基金設置法人とリース事業者(貸手)により締結された先端設備等導入支援契約に基づくもの(以下「本リース・スキーム」という。)によるリース取引が導入されました。
本実務対応報告はこれを受けて、本リース・スキームによるリース取引について、これまで公表されているリース取引の借手における会計処理等の取扱いを整理するとともに、必要と考えられる借手における会計処理等を明らかにすることを目的として公表されたものです。
本実務対応報告の概要は以下の通りです。
本リース・スキームにおける借手の会計処理及び開示等を対象とする。
① 本リース・スキームにおいては、リース取引がファイナンス・リース取引に該当するかどうかについては、他のリース取引と同様に、企業会計基準適用指針第 16号「リース取引に関する会計基準の適用指針」(以下「リース適用指針」という。)第 5項の要件に基づいて判定すべきであり、具体的な判定は、リース適用指針第 9項に従う。
② 再リースに係るリース期間又はリース料を解約不能のリース期間又はリース料総額に含めるかどうかについては、その他のリース取引と同様に、リース適用指針第 11項及び第 12項に従う。
③ 本リース・スキームにおいて、リース取引開始日後にリース取引の契約内容が変更された場合、ファイナンス・リース取引かオペレーティング・リース取引かの判定を再度行う。これ以外の場合、当該判定をリース期間中に再度行うことは要しない。
本リース・スキームに係る変動リース料については、リース取引開始日において、借手により示されている合理的な想定稼働量を基礎とした金額により、企業会計基準第 13号「リース取引に関する会計基準」(以下「リース会計基準」という。)及びリース適用指針に定めるリース料総額に含めて取扱い、次のような場合に考慮されることとなる。
① ファイナンス・リース取引の判定
② ファイナンス・リース取引と判定された場合の、リース資産及びリース債務として計上する価額の算定
本実務対応報告に定めのない事項については、リース会計基準及びリース適用指針の定めに従って会計処理する。
変動型又はハイブリッド型の本リース・スキームについてオペレーティング・リース取引と判定された場合、リース会計基準第 22項に定める解約不能のものに係る未経過リース料の注記に、貸借対照表日における借手による合理的な見積額に基づく変動リース料の未経過分を含める。
本実務対応報告に定めのない事項については、リース会計基準及びリース適用指針の定めに従って開示する。
公表日以後適用する。
以上